家族関係、学生時代の研究、結婚生活、読むことと書くこと、非常勤講師として学生への小説指導、ジムでの運動と出会い、退職後の日々などについて闊達に述べられる。『小説』の姉妹編と言ってよさそう。こちらの方がより増田みず子という作家について直截に書かれていて面白かった。
母親との関係はかなり緊張したもの。高校中退の原因について落ちこぼれたと言い、また失踪したとも言い、まるでシングル・セルの稜子のようで可笑しくなった。何が本当かなんてどうでもよくなる。書いてあることを読めばああそうかと思うだけだ。
最近になるにつれ文章が簡素化されていく。話し言葉に近づいていく。「最後の本」と言わず小説でもエッセイでも短くてもなんでもいいから、どうかまだまだ書いて、また本を出してほしい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2024年1月20日
- 読了日 : 2024年1月15日
- 本棚登録日 : 2024年1月15日
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