女の人にもてる才能を抜群に持っているニシノユキヒコ。いつも恋愛してるけど、全力になれずに、結局ふられて、でももてるから次から次へと彼女をつくる哀れな男である。その彼をとりまく女の人が、彼について、彼との恋愛についてふりかえる短編集だ。女性たちの個性は幅が広いし、ニシノユキヒコに対しての広い心はすごいと思う。が、それって、ニシノユキヒコの恋愛癖を、果てはニシノユキヒコその人自身を、遅かれ早かれ諦めていたんじゃないかと思ってしまうわけで。この短編集においての諦めや達観は、その恋愛自体を諦めてしまっている風にどうしても受け止めてしまった。だから私は、これを「別れ」を集めた短編集だと解釈してしまって、虚しさばかりが胸にはこびった。
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- 感想投稿日 : 2008年10月8日
- 本棚登録日 : 2008年10月8日
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