病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 下

  • 早川書房 (2013年8月23日発売)
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感想 : 34
5

・患者相手のトライアル&エラーがすさまじい。しかし著者は患者を埋もれさせず、臨床医として関わったがん患者の話を何度も織り交ぜていてすばらしかった。特に最終節。著者の温かい人柄が伝わった。
 
・個々の科学者も敗北し続けながらも、全体としては少しずつ謎が解明されていくのが壮大で感動した。ひとりの成果は小さくても、そのおかげで前進していると見なせる。まさに「何一つ、無駄な努力はなかった」。
 
・葉酸類似体や化学兵器マスタードガスやX線やラウス肉腫のように、別分野のことを端緒に新しい攻め方が開発されていくのもおもしろい。
 
・米国の科学政策も興味深かった。基礎研究が無いのにマンハッタン計画やアポロ計画のような目的指向型はだめだな。

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感想投稿日 : 2018年10月21日
読了日 : 2018年10月20日
本棚登録日 : 2018年9月24日

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