少女の頃の憧れがぎゅっと詰まった作品。
それだけじゃなく、憧れの先に出会う失望も。
ほんとうの事というのは未来によって形を変えてゆくものなのだろう。
ピアノの旋律、知らない小道、東欧の村の写真展、瀟洒な一軒家、夏の日差し、すみれ色の夕暮れ…
読んでいると、すーっと風が通り抜けていくような心地になる。
ゆゆの"あの夏の日"のつづきは40年以上経ってやっと訪れる、その距離感もよかった。
この年月を経たからこそ、れい子ちゃんからの手紙も、由々の翻訳という職業を通して、すとんと収まるべきところに収まったのだと思う。
4ミリ同盟とこの作品しか読んだことがなかったけれど、高楼方子さん好きだなあ。
他の作品も読みたいです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年9月16日
- 読了日 : 2020年9月16日
- 本棚登録日 : 2020年9月16日
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