忍藩に住む下級武士の絵日記である。原本は7巻にも及ぶが、慶應大学のデジタルライブラリーから「石城日記 」を探せばインターネットで見ることができる。
この本は、これまでに出ていた同じ著者が、量を増やし、絵をカラー版として新訂したものである。
日記から窺えるのは100石ほどの知行を取る下級武士の生活であるが、なかなかの粋人であり、かつ骨のある文化人らしいということである。そのため、譜代の大名家臣としての言行に好もしからざるところがあって、蟄居・隠居などを命ぜられるが、簡単にはめげていない。
明治以降のことは日記にはないが、解題によると、維新後は藩からの扱いも変わり、教えを請うものが多く現れたらしい。
ともかく、ほれぼれとする「自由人」の走りかもしれない。
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2022年7月22日
- 本棚登録日 : 2022年7月22日
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