能力バトルものかと思ったらバトル・ロワイアルものかと思ったらメタTRPGものだった!
ネームドキャラの生命が次々と一瞬で失われるのは昨今の流行りで自分も好きな展開だが、本作においては主人公勢力が活躍するわけではなく、敵味方双方消耗戦になるあたり、能力バトルものではなくバトル・ロワイアルもの。どいつもこいつもバカではなく、論理的思考力が高いのも好みではあるのだが、損得勘定が上手すぎて人間味がなく、かえってキャラクターの魅力を損なってしまってる気がする。
などなど小説とみると粗は見つかるのだが、本作の本質は『場の提供』。僕がRPGで一番楽しいのは、スキルポイントを振り分けてどんなコンボを作るのかを考えている時であり、それは本作が発信するメッセージである『ほら能力バトルって面白いからやってみなよ!』という投げかけと合致する。十分な材料を与えられた上で筆者の個人的な趣味満載のストーリーを見せられると、『自分もやりたいように作りたい!』という欲が湧いてくる。
カバーの煽り文の『読んでよし!使ってよし!』はまさに正鵠。本書こそ、厨二の妄想力を創作に駆り立てる一押しになるかもしれない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年4月20日
- 読了日 : 2014年4月20日
- 本棚登録日 : 2014年4月20日
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