こころと脳の対話

著者 :
制作 : 茂木健一郎 
  • 潮出版社 (2008年7月17日発売)
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本棚登録 : 275
感想 : 37
4

河合隼雄先生と、茂木健一郎さんの対談は、スラスラ読めるて、とてもわかりやすく楽しい。

河合隼雄先生の書かれた本では、難しいと感じる部分でも、対談だからこそ、ストンと落ちる部分がある。
シンクロニシティ(ユング)、ただいること。が、腑に落ちた。
心理学を勉強し始めて10年近いが、河合隼雄先生がご存命の時に学びたかったなーと切に思えてくる。



第1回 心と脳の不思議
ユングは人間の何を見ようとしたか/学生時代の箱庭体験/安易に「言語化」することの怖さ/夢の意味を自分で考えてみる/心の盲点が夢に現れる/「気づき」の感覚を忘れた科学/「関係性」とは心のつながり/「愛は盲目」は脳科学的に正しい/「中心統合」の欧米、「中空均衡」の日本/「三年に一人、本物が出ればいい」/無用な決まりごとが多すぎる/「診断を下す」ことが患者を苦しめる/「私」とは「関係の総和」/変化という「可能性」に注目する/脳科学では心の一部分しか見えない/近代科学が排除してきたもの/ひとつの事例は普遍に通ずる/話を聞くだけで疲れてしまう人/人は極限で同じ心の動きをする

第2回 箱庭と夢と無意識
箱庭のなかの「生」と「死」/「わからない」ことを大事にする/ニワトリが牛耳る不思議な世界/箱庭をして帰って行ったゴリラ/世界全体を見ている「誰か」/そのアイテムを選ばせる「無意識」/東洋人の箱庭のには自然が多い/無意識につかみ出すとっかかり/「シンクロ」はどうして起こるか/非因果的連関をおもしろがる/因果のしがらみを解きほぐす/箱庭で体験するシンクロニシティ/世の中を縦糸と横糸で見てみる/関係性でのみ成り立つ確実性/科学主義との果てしない戦い/箱庭をしているときの脳活動/科学と「人生」との乖離/身の上話に夢中になる運転手/「運命の人」も文脈のせい?

第3回 「魂」を救う対話
脳治療の倫理的課題/脳科学に限界はあるか/夢の中で「意味」がつながるとき/自己矛盾を解決するための装置/言語に依存しすぎの現代人/相手の苦しみを正面から受け止める/「中心をはずさずに」/相づちの達人/相手の「魂」だけを見つめる/治療が必要かどうかの見きわめ/「偶然」というものを大事にする/何年も経って意味がわかる夢/全体に、平等に注意力を向ける/数学から心理学の世界へ/脳科学の「科学的真実」への疑問/現代人の不安の根本原因/「関係性」を扱う科学は生まれるか/答えを与えるより、悩みを共有する/「わかった気になる」落とし穴

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 心理系
感想投稿日 : 2019年11月10日
読了日 : 2019年11月10日
本棚登録日 : 2019年11月10日

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