ついに大著全4巻読了。ヨーロッパ戦線の詳細と相次ぐ旺盛な行動力と移動力で大西洋とヨーロッパ、北アフリカ、中東、ロシアを飛び回り電報や電文だけではなく直接会談で理解を深め共通の敵ナチ・ドイツの妥当に邁進するチャーチルが凡庸な表現ながら凄い。エピローグは戦後の流れを概ね1957年くらいまでまとめたものでアジア諸国の混沌とした状況や回教徒の問題、パレスチナ、イスラエル問題の長引くだろう紛争に言及し先見の明を遺憾なくここでも発揮している。原子爆弾の章はやはり考えさせられる。確かなことは、これで大規模かつ破滅的な上陸作戦を行わずにすみ、英米軍だけでなく日本の損失も少なくなるとチャーチルやアメリカが一致して考え実験の成功は直ちに原子爆弾の使用を決定させたということ、異論も全く出なかったと正直に記述していることである。これらについては確かに2発の原子爆弾の投下が完全に日本の継戦意欲を削ぎ、しかしここに至っても度し難いことに天皇の判断をもってつまり通常の日本人には最終的には判断が下せなかったが戦争はやめられたという事実である。これを日本人は思考を放棄した恐ろしさを今日的教訓と見るべきではないか。その他触れるべきことは多いが読了後突発的な勢いで記述している忘備録的レビューでもあるのでひとまずはこの辺りでいまはとどめておくが近現代史に興味がある人には必読の書といえよう。
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読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史系統
- 感想投稿日 : 2018年6月16日
- 読了日 : 2018年6月23日
- 本棚登録日 : 2018年5月7日
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