虫とけものと家族たち (中公文庫 タ 8-1)

  • 中央公論新社 (2014年6月21日発売)
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本棚登録 : 378
感想 : 31
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ある夏、変わり者ぞろいのダレル一家は明るい日の光を求めて英国を抜け出し、ギリシアのコルフ島にやってきた。末っ子のジェリーは豊かな自然、珍しい虫や動物たちに夢中になるが、数々の騒動と珍事件をまきおこす――訳者をして「ここに溢れる幸福感につられてギリシアに渡」らせしめた、おおらかでユーモアに富む楽園の物語。

虫や生き物全般に興味津々な小さい博士のジェリーを通して描かれる、コルフ島での家族の物語。詳しい生き物たちの描写は本当にいきいきとしていて、どちらかというと虫など苦手な私ですが自然にあふれた中で暮らすのも楽しそうと思ってしまうくらい。ジェリーの良き先輩かつ仲間であるセオドアも本当に素敵なキャラクターです。森見先生の帯コメントにもあるように、生物たち以上に面白いのがダレル一家。ラリー、レズリー、マーゴ、お母さんそれぞれが魅力的で滑稽で愛すべき人たち。読みながら思わず噴き出してしまう場面も多くて、まるで彼らと一緒にギリシアに旅したような読後感。ぜひ他の作品も復刊してほしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外小説
感想投稿日 : 2019年1月18日
読了日 : 2019年1月18日
本棚登録日 : 2019年1月18日

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