翼の帰る処 番外編 (2) ことば使いと笑わない小鬼

著者 :
  • 幻冬舎コミックス (2020年4月28日発売)
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感想 : 9
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かつて帝国に滅ぼされた沙漠の都市国家アルハン。その元王子で、水を浄化する力を持つファルバーンは、大貴族《黒狼公》となった尚書卿ヤエトに正式に召し抱えてもらうため博沙国を訪れるが、そこにヤエトの姿はなかった。目的を失い無為の日々を過ごす中、博沙相からアルハンの水源調査を依頼されたファルバーンは、北嶺から借り受けた鳥に乗って、なぜかやって来た皇女、鳥の世話役アルサールらとともにアルハンの呪われし廃墟、地下迷宮に向かうが――!?

刊行後すぐに購入したもののずっと積んでいた。あーもうなんですぐ読まなかったんだ過去の私!!本編を読み返して間もなく読んだので、世界観に浸ったまま楽しめました。皇女を含めヤエトの周りの人も、ヤエト自身も、少しずつ変わっていって、最初のときとはずいぶん違う姿になったよねと感慨深い。キーナン目線での短編は意外だなと思うところも多くて、本編では影が薄かったのでこういう風に思っていたのか!とびっくりしました。養子になるって我々の感覚だと分からないところが多いけど、貴族はよくあることだし、割り切っているのかなとは思ったけど、それとは別にきちんとこの子はヤエトを尊敬して近づきたいと願っているんだな。いい領主になるでしょう。明るい未来を示唆する終わり方で良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内小説
感想投稿日 : 2022年12月25日
読了日 : 2022年12月2日
本棚登録日 : 2022年12月2日

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