川本家の父が過去一のクズで、爽やかな顔面以外は一欠片も良いところがない圧倒的クソ野郎でした。これまでも「嫌なやつ」は複数人登場してきました。しかしそういう嫌なやつらにも羽海野先生はある一面において人間的な魅力を覗かせるように描かれてきたように思いますが、この川本家父に関してはそういう一抹の魅力すら施されていませんでした。
巻を重ねるごとに零は着実に成長してきましたが、ただこの11巻では川本家を守るという猛烈な使命感に燃え盛っていたせいか、零は盤の外でもかなり大胆不敵に変化しており、もともと猪突猛進なところはあったと思いますがちょっと大胆になりすぎでは…と思わなくもなかったです。
巻末の小話「ファイター」も味わい深い作品でしたし、「11巻でお世話になった方々」として書かれている名前が錚々たる面々で、ものすごい名人たちの感性がこの作品に反映されているんだなあと思うと、さらに作品に重みを感じた次第です。
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- 感想投稿日 : 2023年9月17日
- 読了日 : 2023年9月14日
- 本棚登録日 : 2023年9月14日
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