深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1993年9月3日発売)
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本棚登録 : 284
感想 : 33
5

なかなか良かったです。
良い時代小説シリーズを見つけました。
鬼平ほど血なまぐさくもなく、
かわせみほど女々しくもなく。
最後には救いのある所も良いです。
文章も読みやすく、過度の装飾もなく、品が良くて好きです。

火傷を負って火消しが出来なくなった人が、新しく自分のアイデンティティと奥さんを得る話。

夫婦の危機を乗り越える若い夫婦の話。花火に打ち込む話。

境遇の違う相手との恋を成就させてそれぞれ幸せになる(と思う)2つのカップルの話。大店の娘さんと植木職人。花売りと大店の跡取り息子。

笑兵衛さんが、若い女性にふらふらっと来そうになる話。

身寄りのない寂しい境遇の年配の女性2人が、友達になる話。

意地を通す年老いた女擦りの話。

人に騙されて落ちぶれた過去から、常に「甘い言葉、上手い話を信じるな」と言い続けた父親が、娘が好いた旦那から捨てられる時に、娘が可哀想だと泣いて縋る話。でも最後には、酷い奴だった旦那から手切れ金を貰い、さっぱりと前向きにやり直す所がとても良かった。

貧しい境遇から気立てと頭の良さで富と幸せを掴んだ若い女性が、いつの間にか夫の気持ちを大事にしていなかったと気付き、幸せの中に戻って行く話。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年10月7日
読了日 : 2016年10月7日
本棚登録日 : 2016年10月7日

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