人間関係が「しんどい!」と思ったら読む本

著者 :
  • 中経出版 (2009年10月23日発売)
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感想 : 67
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人間関係で悩みはない私でも、例え話がわかりやすくて、説得力があって、楽しく読め、馴染みやすい本だった。

花粉症は「花粉」自体に問題があるのではなく、「花粉」に反応してしまう自分に問題がある。だから「花粉」をどうこうしようとするのではなく、自分は「花粉」に対してどうするか。(ここでいう「花粉」=「苦手な人」)

「岩と旅人」の話。
苦手な相手を変えようとするのは、巨大な岩を相手にしているのと同じ。巨大な岩を相手に「邪魔だ!どけ!」と文句を言い、論じても通用しないと、だんだん腹が立ってきて、押したり蹴ったり叩いたり、しまいには爆破してみるものの、一部しか壊れず、通れるけど気が治まらず、仲間を集めてさらに爆破し続ける。飛び散った破片で傷つきながら。
巨大な岩を相手にしない旅人は、岩を避けて遠回りしたり、岩の上を楽しんでロッククライミングして乗り越えたり、見物してお弁当を食べてたり。岩と戦っている旅人はそういう人たちにも腹を立てる。「せっかく俺がみんなのために岩を動かしてやってるのに」と。

価値観を統一するのではなく、価値観の違いを認める。「比較しない」「正しさを主張し合わない」「一人一人の価値観を認める、受け容れる」それが「他人を尊重すること」であり、「自分を尊重すること」にも繋がる。

人の話を聞く時は、自分の価値観だけで人の話を「聞く」のではなく、相手の価値観に沿って、自分の価値観(フィルター)で物事をジャッジせずに「聴く」ことが大事。

「もっと優しくしてほしい」「もっと大事にしてほしい」「もっと認めてほしい」「もっとかまってほしい」という自分の本当の気持ちを自己開示していないと、「私はこれだけやってるのに」「こんなに我慢しているのに」「私は悪くないのに」という不満が増幅し「被害者のスパイラル」に陥ってしまう。

すっぱいぶどうの法則。
自分が努力しても手に入らなかったものに対して、「あれは本当は価値がないのだと思い込むことで、自分を傷つけないようにする」防衛規制が働く。相手を悪く言ったり、負け惜しみをいったりするのではなく、「できない自分」をちゃんと認める。

人間は、次のステージに上がるため(転機のため)に、試験問題や受験問題に立ち向かいクリアしている。人間関係の問題も、人生の次のステージのステップを踏むための受験だと思って、試験問題のように「解いてみる」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 単行本
感想投稿日 : 2016年9月6日
読了日 : 2016年9月6日
本棚登録日 : 2016年9月6日

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