ひとりひとりの味 (よりみちパン!セ 28)

著者 :
  • 理論社 (2007年4月16日発売)
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本棚登録 : 148
感想 : 19
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中学生向けのレーベルですが、「食育」なんて大上段に構えたものではなく、何と言うかもっともっとシンプルな、“豊かに”生きるための指南書という趣。

例えば普段何気なく口にしているお味噌ひとつ取っても、そこには長い歴史がある。時代や地域によって、色も味も香りも全然違う。別の土地からやってきた味噌が混ざり合って、新たな味が生み出されることもある。
それに、定番メニューだと思われているお味噌汁やカレーや餃子も、実は一軒一軒全然違う味だったりする。
なにを美味しいと感じるかは人それぞれだし、以前は大嫌いだった味にいきなり目覚める事だってある(勿論その逆もあろうけど)。

「いろいろな味がある」を知るということは、「いろいろな人がいる」を知ることと同義だし、ひいては「いろいろな文化がある」に繋がっていくんだな、と改めて思った次第です。

また、子どもたちが食事について(材料の生産や流通、栄養、調理方法などなど)の考えを深めるための取り組みとして、香川県綾南町立滝宮小学校の「弁当の日」にも触れられており、「弁当の日」ファンとして非常に嬉しかったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: └ よりみちパン!セ
感想投稿日 : 2017年8月19日
読了日 : 2017年8月
本棚登録日 : 2017年8月18日

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