そもそも旧約聖書の(ノアの)「方舟」は、洪水からの救済のための神の啓示でした。
ところが、この物語に登場する「方舟」は、怪しい地下建築物で、地震のため脱出困難な閉塞空間になるのでした。
読み進めるほどに、二重・三重の恐怖と不安が押し寄せます。閉塞空間でのタイムリミットのある水没。そして、脱出のため誰かを犠牲にする人の選別。更に、目的不明の殺人による人間不信・疑心暗鬼です。
探偵役の主人公の従兄が少し胡散臭い印象で、登場人物同士の関係性もやや薄い感がありますが、特殊環境下ならではの殺人理由の設定に戦慄し、読み手は度肝を抜かれます。
ノアの「方舟」は、大多数が犠牲になり一部のものが救済されますが、結局この地下建築の「方舟」も方舟としての役割を果たしたのでしょうか。これも皮肉?
結末の衝撃の度合いが大きく、ミステリーファンの方におすすめです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年9月26日
- 読了日 : 2022年9月26日
- 本棚登録日 : 2022年9月26日
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コメント 5件
チーニャ、ピーナッツが好きさんのコメント
2023/02/11
NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/02/11
チーニャ、ピーナッツが好きさんのコメント
2023/02/11
NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/02/11
チーニャ、ピーナッツが好きさんのコメント
2023/02/11