多ジャンルで幅広い作風の東野圭吾さん。多くの未読作から、裏シリーズ(?)的『◯笑小説』第一弾である本書を手にしました。
『怪笑小説』から始まり、『毒』『黒』『歪』と4作品あるようで、本作は1995年刊行です。
9編からなる短編集ですが、東野圭吾さん、力一杯笑わせにかかってますね。それも、普通の笑いでなくブラックな笑いを誘ってきます。ちょっとニヤッとし、後からコワッとなる感じです。
「あの東野圭吾が?」と戸惑う方もいるかもしれませんが、逆に懐の深さを感じさせます。執筆しながら、ご自分で楽しんでいるんじゃないでしょうか?(多分)
9編いずれも、身近な処から題材を探し、テンポよく読め、登場人物の内面(個性的で共感得られる)もよく描かれています。そこにきて、最後のひねりの効いた結末は、独特の雰囲気があって、不気味で怪しい笑いが後を引きます。
隙間時間でも読める短編集という他に、東野圭吾さんの別の魅力(コメディタッチ、シュールさ、ブラックさ)を体験したい方にピッタリです。
巻末に9編全てのあとがきが書かれていて、着想のきっかけや思い入れなど、その丁寧な内容がとても興味深かったです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年11月27日
- 読了日 : 2023年11月27日
- 本棚登録日 : 2023年11月27日
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