本書は、経済的に余裕のある人が小屋づくりに挑戦した単なる趣味的なDIYエッセイではなく、困難な時代を生き抜く力があふれる6年間の軌跡です。
不器用な著者が、なぜ小屋造りへと突き動かされたのか? そのきっかけ、経緯、完成までが詳細に記録されています。
しかし本書の肝は、その小屋が出来上がっていく物理的な変化以上に、娘の成長の記録であり、周囲を巻き込んで一つ一つ困難をクリアし、行きつ戻りつしながら親も成長していく記録、まさに人生の縮図を著している点にあると思います。
シンプルに「娘に心の原風景を与えたい」という想いから、よくぞ頑張ったなと感心します。
これこそ「生きる力」ですね。変化の激しい今の時代に、生活をより豊かにしていくためにどうするかという課題へ、自ら考え、判断し、行動を起こして学んでいく‥、思い描く幸せの実現こそが、導き出した答なんですね。
ダンナさんとの関係性や娘さんへの接し方も素晴らしいですし、周囲に気心許せる仲間が多くいるのも魅力的で羨ましいです。
あやかりたいなと思いながら、一歩踏み出せない自分がいます。悲しい‥。
それでも、DIY(自分でやろう!Do It Yourself)をさらに進め、D(どうなっても) I(いいから) Y(やろう)という前向きな姿勢が、私たちに大きなヒントを与えてくれる一冊でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月16日
- 読了日 : 2024年1月16日
- 本棚登録日 : 2024年1月16日
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