本書は、『dancyu』の連載エッセイ「台所の時間」を編んだ一冊となっていて、2006年度ドゥマゴ賞受賞作とのことです。
本書はもちろん、「○○のお店の絶品□□」などのグルメ本ではありません。ある意味、そういったものに日々踊らされている人たちへの警鐘(大袈裟かも?)でもあるかもしれません。
平松洋子さん曰く「買えない味。そのおいしさは日常のなかにある。」
なるほど読むにつれ、豊かな季節感が立ち上がり、風や水などの自然、食器や調理道具へのこだわりと愛情が繊細な筆致で描かれています。爽やかさ・優雅ささえ感じさせてくれます。
とても滋味あふれる文章から、幸せな食生活とは何かを教えられたような気がします。細やかな気持ちが行き届いた暮らし、心地よい空間、好きな器に盛って食べる食事…。
日本人ならではの〝和〟の心に満ちあふれた一冊でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年10月13日
- 読了日 : 2022年10月13日
- 本棚登録日 : 2022年10月13日
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