優しいタッチの立体絵本。開くと立体の裏表に一面の森にカラフルな鳥やナマケモノが隠れている。大人でもナマケモノはどこにいるかな?と探しながら本を前後左右に動かしながらくまなく探したくなる。ページを繰るワクワク感とは裏腹に、クレーン車が森林を破壊していき、ついにナマケモノが丸裸の森の一本の木から見つかってしまう。種まきのシーンが一番好き。かわいい芽たちとナマケモノ。ほっと一息、クスッと笑いたくなるシーン。最終的に、森が最初よりも大きく育ち、カラフルな鳥の数も増え、ナマケモノが安心して寝ていられる森が戻る。
壊すのは簡単だけれど再生するのには気が遠くなる時間がかかる。最後2ページはどれほどの時間的な感覚だろう、と気が遠くなる。芽から森への変化は自然の偉大さを感じるとともに、人間の経済活動が他の生命にどれほどの影響を与えているかを考えさせられる。大人も子供も読んで一緒に考えたくなる絵本。サイズ感や手触りも良く、色合いとテイストがマッチしている。立体絵本の中でも二千円台とお手頃。自然派食堂のランチ提供待ち時間に読了。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年12月1日
- 読了日 : 2022年11月30日
- 本棚登録日 : 2022年11月30日
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