経済学の思考法 稀少性の経済から過剰性の経済へ (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (2020年11月12日発売)
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感想 : 8
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 経済学という科学的な装いをしているが、どうも怪しい学問について、初めて親近感を持って読めた本である。
 市場原理主義者が構造改革が必要だとして行った「改革」は悉く日本人の普通の人の自信を奪い、希望を抱くことを諦め、大胆なチャレンジなんて考えない大衆に変えた。
 経済学者が言ってきたことのほとんどが、日本人を幸せにしてこなかった。この本は、まずそのことを認めている点がすごい本だと思った。しかも、スミスやケインズの考えていたことの本当をわかりやすく教えてくれる。我々は、スミスこそ市場原理主義者と誤解していたし、ケインズこそ成長至上主義者と誤解している。
 そんな私たちに本当の経済学をわかりやすく教えてくれるこの本は価値があると思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済
感想投稿日 : 2021年3月2日
読了日 : 2021年3月2日
本棚登録日 : 2021年2月13日

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