友情よここで終われ (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2024年2月13日発売)
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本棚登録 : 73
感想 : 7
5

オリヴァ―とピアシリーズの第10作。

オリヴァーの私生活はこんな酷いことになってたんだっけ?
上手く行っていたような気がしたのだが、
ピアに言わせれば、いつも同じタイプ、
不安定さを抱えるキャリアウーマンタイプに惹かれるオリヴァーが悪いのだが。
元妻のコージマが癌になり末娘と一緒に住んでいるが、
妻の娘が悲惨な事件を目撃したトラウマからか意地悪三昧。
オリヴァーひとりなら、自業自得で終わりだが、
娘を巻き込むのは親としてどうかと思う。
別居すると聞いて「ようやく?」と言いたくなるピアの気持ちがよくわかる。
さらには、家を出た後に元実家のお城を改装したホテルに泊まり込み、
敷地内の家に安い家賃で住まわせてもらえそうとは、
貴族のお坊ちゃん極まれり。

事件の方は、出版社の元編集者が行方不明になったことからはじまる。
働いていた出版社は創業者一族が経営していたが、
その関係者が関係しているのか
もしくは作品の剽窃をばらされた作家が絡んでいるのか。
出版社社長の年の離れた従兄が事故で亡くなったことや、
社長の母親が自殺したことに関係しているのか。

謎解き部分は面白かったし、
編集者の一人と社長が距離を縮めていくところも良かった。
その編集者がアイスティーをもってバルコニーに出て、
原稿を読む場面がうらやましかった。
人を殺したと思い込んだ有名作家のドタバタ劇も、
意外にもそのあと事件解決に手を貸したところも面白かった。

ピアの方はといえば、妹キムと前作で出会えたその娘はうまくいかなかったが、
新しい家で、事件で知り合った犬を飼い始め幸せそうだった。
元夫の法医学者ヘニングがミステリー小説を書き、
今の夫がへそを曲げるのが問題らしい。

被害者の隣人を見てピアが、
投資銀行勤務か弁護士にちがいない、出勤前にはハーフマラソンをしていることに
「わたしのミニを賭けてもいいです」と言ったところを、
カシオミニ、と空目をしたのは私だけでははず。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2024年3月11日
読了日 : 2024年3月5日
本棚登録日 : 2024年3月5日

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