このシリーズの最高傑作。
もはやハードボイルドではなく犯罪小説だとしても、
描写がかなりグロテスクだとしても。
今までの作品で、殺人の動機にしっくりこないことがあったが、
倒錯三部作と呼ばれている、「墓場への切符」「倒錯の舞踏」そしてこの作品では、その違和感がなくて素晴らしい。
動機がほとんどぶっとばされている、という解決の仕方だが。
人の中にある善と悪でまだらにできている球が、
転がされ、または動かず、
ある時は光を放ち、ある時は闇を放ち、まぶしいばかりだ。
ああ、それが魂というものなのかもしれない。
とはいえ、ここまで積み重ねてきた物語があって傑作だと思っているので、いきなりこの本を単独で読んだらどうかはよくわからない。
私には、TJが大活躍しているのも楽しいし、エレインが、いつのまにか巻き込まれているのも楽しい。
エレインとスカダーの関係も進展してよかった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ヴァイオレンス
- 感想投稿日 : 2013年3月29日
- 読了日 : 2013年3月28日
- 本棚登録日 : 2013年3月28日
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