酒量の多さや、家庭人としての適当さ、勤め人としてのモラルの低さにやや引くものの、文才が素晴らしい。ちょっとした言い回しに、現代のエッセイにはない味わい深さが感じられる。 ひょっとして私たちは四角四面に、生真面目になりすぎているのだろうか。昭和の時代は、男性も女性もほどほどに寄り道をすることで、上手にガス抜きをしながら日々生きていたのかなぁ、と思いを馳せる。私たちがおそらく失ってしまいつつある、無駄の美しさがここにあるような気がした。
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- 感想投稿日 : 2024年2月9日
- 読了日 : 2024年1月29日
- 本棚登録日 : 2024年2月9日
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