駆けぬけて、テッサ!

  • 徳間書店 (2003年11月15日発売)
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感想 : 4
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K.M.ペイトン、少女の頃、『愛の旅立ち』『雲のはて』『めぐりくる夏』の「フランバーズ3部作」に夢中になった。
その「フランバーズ三部作」の続編が書かれたと聞いたのは、それから二十年ほどたった頃だっただろうか。
階級差を超えての結婚生活が破綻するという続編を、私は手に取ることができなかった。
それから、更に時は流れ……
今、再びペイトンに夢中になった。
何で、邦訳はこんな、タイトルにしたんだろう? 全然ペイトンらしくない。
「BLIND BUATY」……それが原題だ。

少女テッサ、両親の離婚により、大好きな馬と引き離され、心がすさむ。
さらに、母の再婚相手は、冷酷非道の男……
学校を追われ、荒れる彼女の心を救ったのは、不格好な一頭の馬だった……

愛馬とレースを走ることを夢見、騎手を志す少女の青春小説は、
自らも馬と乗馬を愛する作者らしい。
その昔、インプットした記憶は今も鮮やかで、我ながら恐れ入る。
本作はペイトンの愛した馬がモデルだという。
ペイトンは、今、齢80を超えている……
私もこの作家の人生と、時折出会って今を迎えてきているのかと思うと、感無量だ。

さて、肝心の物語。
まっすぐで、まぶしいほどの青春小説。
不可能を可能にするのは自分。決して負けちゃいけない。
そんなメッセージを、素直に受け止められるのは、
少女の頃、大好きだったペイトン氏の言葉だからだろうか。

テッサの物語に夢中になった、この年の瀬は、幸せな時間だった。
今でも、こんな感覚になれる自分と、物語の力にも感動している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童文学
感想投稿日 : 2011年12月29日
読了日 : 2011年12月29日
本棚登録日 : 2011年12月26日

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