ハイラスとフィロナスの三つの対話 (岩波文庫 青 618-2)

  • 岩波書店 (2008年4月16日発売)
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感想 : 12
5

さすが、「原理」への反省もこめたのか、対話編で執拗に繰り返される問答は想定問答集のようでもあって、「原理」とかで困ってた解釈について、ちゃんと読めばかなり答えが書いてあると思う


神なんて想定したくないけども、

「もしも、誰か哲学者が物質の助けを借りて、私たちの心にどのようなものでも観念が生み出される様子を説明したことを示せるならば、私は、永遠に君の言うことに従い、それに反対してきたすべてのことをなかったことにしましょう」

なんて問い詰められると、さて、これは、現代の科学にもできていない。
科学はいまだ、デカルトの松果体を見つけられないでいる。
脳の仕組みはわかってきた。創発される、という感覚も見えてきた。
でも、まだ、誰もニューロンから観念が立ち上がってるところはわからない。

そして、

「たとえ物質についての何か肯定的な概念を持っていたとしても、また、その性質を知っていたとしても、その存在を理解できたとしても、物事を決して説明できないし、物質それ自体、世の中でも最も説明できないものなのですよ」

とまで言われると、現代科学者だってぐうの音も出ない。

さぁ、次はヒュームだ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年3月22日
読了日 : 2020年3月22日
本棚登録日 : 2020年3月22日

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