トイレ(うんこ)という、表立って取り上げられることが少ない、しかしながら人々にとって極めて身近なテーマがタイトルになっている本作では、生活リズムの中で多くの人がすれちがう「公共の場所にあるトイレ」がキーポイントになっています。
会話をするわけでもなく、どこの誰か、何をしている日とかも知らないけれど、毎朝のトイレで顔を合わせたり、隣り合う個室で時間を共有する他人との時間や、職場のトイレでの一幕など、物語の要所要所ででてくるトイレでの過ごし方の描写は、生々しくリアルです。
ブラック企業で働く主人公を描いた「御不浄バトル」とそのスピンオフ作品である「荒野のサクセス」が収録されています。
たしかに、「きっとこういう人はいるよね」という感想は抱きますが、読み終えて爽快かと問われると少し悩みます。
社会で(あるいは会社で)自分の仕事に自信が持てない若手の悩みを描いているようにも感じましたし、作者の「らしさ」が良く出ている作品であるようにも感じました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
個人
- 感想投稿日 : 2023年8月14日
- 読了日 : 2023年8月14日
- 本棚登録日 : 2023年8月14日
みんなの感想をみる