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来世で何になりたいか苦悶中の若だんな! 神様に気に入られる答えは見つかるの~? 許嫁も決まった病弱若だんなは仕事を覚えたくて仕方がない! 渋る兄や達を説き伏せて働いたものの、三日で寝こんじゃった。寝ながらできる仕事を探すことになったけど、悪戦苦闘。しかも消えた死体を探せとか、猫又の長を決めろとか、おまけに神様まで……。長崎屋の離れは今日も事件でてんてこまい! シリーズ第十四弾!
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「妖になりたい」 「人になりたい」 「猫になりたい」 「親になりたい」 「りっぱになりたい」
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店表に出ては離れで寝込み、寝込んではせっせとまた寝込む若旦那・一太郎である。許嫁も決まり、人と同じように働きたいという思いは日増しに強くなるが、躰が言うことを聞いてくれず、なんとか寝ていても人の役に立てることはないかと思案するのである。そんな折、神さまたちから出された宿題は、なにになりたいか考えること。何かになりたいあまり事を起こした人たちと関わり、謎を解き明かしていくうちに、一太郎は自分の心の奥の望みを自覚するのである。何とも切なく愛おしく、若旦那にはぜひ健康になってほしくもあり、寝付いたままで知恵を絞るのを見たくもあり、複雑な思いにとらわれるのである。いつまでも応援したいシリーズである。
読書状況:読み終わった
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は行の作家
- 感想投稿日 : 2015年9月19日
- 読了日 : 2015年9月19日
- 本棚登録日 : 2015年9月19日
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