日本の名薬 (文春文庫 や 32-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2004年2月1日発売)
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感想 : 4
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おお!そのへんの薬局にあるアレもアレも、こんなに伝統があったのね、と小さな驚きをいくつも感じつつ読む。
日本の伝統、ないし東洋医学が語られるとき、とかく排外的な記述になりがちなのだけど、この本はそういったテイストが少なく、そこも好印象。

でもまあ、どうなんだろう、実際のところの効能は。
基本的に「今の薬」と比べては劣るんだろうね。もし勝っているならば、新薬がこれだけポコポコ出るわけがないんだから。

であれば、我ながら暴論ではあるのだけど、有効成分とされる化学物質を並びたてる必要はないんじゃないかな。
もう「今の薬」とは違う価値観で作られています、(例えば)イモリの黒焼きが血の巡りをよくするんです、と言っちゃう。以上。
イモリに含まれるイモリフェドキシン(適当)が血中のイモフェデール(適当)と結合し云々……なんて説明は一切なし。

だって、現代医学の土俵で勝負しても勝てるわけないもん。
それに何より「現代医学とは別物だけどなんか効く感じのもの」が世界に存在している意義は、実はめちゃくちゃでかいんじゃないかな、と僕は思っているのだ。暴論かなあ。暴論か。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年11月19日
読了日 : 2012年11月19日
本棚登録日 : 2012年11月19日

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