著者が生前に発表した文章を再編集したもの。没後すぐに刊行されて10年経つが,このような本が文庫になってもっと広く読まれればいいのにと思う。ドイツ語圏で囲まれた小さな地域に,絶滅寸前のスラブ系言語があって,ナチスの時代は必死になって人々がその言葉を守ろうとしたが,圧迫がなくなると却って衰退が進んで,唄や絵本を作って頒布しても全く歯止めがかからない,との一節が心に残る。北海道ではアイヌ語が全く同じ状況だから。その他,千野先生が英語を題材にして書いたショートストーリーなども,すこぶる面白い。まだ手に入るかな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
言語学
- 感想投稿日 : 2014年8月22日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2014年8月22日
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