丸山蘭水桜の遊女たち (新潮文庫 い 13-3)

著者 :
  • 新潮社 (1982年10月1日発売)
3.67
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 7
感想 : 2
4

時代は幕末、処は長崎の遊郭。明日のことは誰もわからぬ転換期を描くこの「歴史小説(著者談)」には、歴史上の人物は登場しない。賤民出身の遊郭一番の遊女と、同じく賤民の若者の恋の行方を中心に、何組かの男女の愛憎が描かれている。ある物語とある物語は密接に関連しながら、一方で関係なく進む奉行所による禁教衆徒弾圧、佐幕派弾圧。これらモザイクはさながら長崎の街全体が生命か、と思わせる高熱を発する。ページの尽きることを惜しみながら、全編に登場する長崎ことばの余韻を味わいつつ読書終了。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の長編小説
感想投稿日 : 2014年1月25日
読了日 : 2012年4月14日
本棚登録日 : 2014年1月25日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする