姓が同じ故に取り違えられて、アフリカへ外国特派員として派遣された男の顛末。いい加減な仕事振りが幸いして、スクープをものにするが...。
誇り高きイングリッシュネスのほころびが隠しおおせない時代背景を舞台に、英国ジャーナリズム界を風刺した(と著者が述べる)小説。システム化され、右へ倣えで群盲化する記者たちの怠惰さや、経営者である貴族の末裔たちの無能さが、「愛すべき」とでも形容したくなるテイストで描かれる。
文学の紹介文で「ユーモアをもって」「思わず笑わずにはいられない」などとある場合は、経験上、眉唾の場合が大半。しかし本作はついついクスリと口角が上がる場面が、度々おとずれた。
わかり易い伏線が目に付いたり、アフリカ世界が暗愚に描かれていたり、いろいろ言いたくなる部分はあるが、いうのも野暮かなと思えるくらい堪能した。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
英・愛蘭文学
- 感想投稿日 : 2015年9月24日
- 読了日 : 2015年9月24日
- 本棚登録日 : 2015年9月19日
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