銀の三角 (1982年)

  • 1982年8月15日発売
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感想 : 14
5

名作読み直し週間の続き。
昔、ソフトカバー版を買って手放した後、古書店で、
一番最初に出たオリジナルハードカバー単行本を見つけて飛びつき、
以来何度も読み返している。
超遠大な時空間を股に掛ける壮大極まりないSFだが、
登場人物の行動原理は「世界を崩壊させたくない」とか
「元の場所に帰りたい」といった、至極わかりやすいもの。
主人公マーリーの悪友、何だかんだ文句を言いながら
結局お人好しのジェイフが好きだ。

未読の方のためにアウトラインなぞ(ネタバレなし)。

 中央都市出身のルポライター、マーリー・ザ・レイは
 辺境の惑星トメイへ赴き、友人ジェイフ・カルソリと共に
 人気歌手エロキュスのコンサートに。
 政変の影響もあって、熱狂した観客が暴徒化し、
 マーリーはエロキュスを連れて脱出。
 重傷を負ったエロキュスは死に、
 クローンが目覚めるはずだったが、
 当人がそれを拒否したため、再生されなかった。
 マーリーはエロキュスが死の間際に語った
 金色の長い瞳の少年と、彼に寄り添う吟遊詩人の話が
 気にかかり、手掛かりを求めて
 古代民族音楽の研究者と面会。
 吟遊詩人の名はラグトーリン、また、
 細長い光彩の金色の瞳を持つ人間は
 生命力の弱い銀の三角と呼ばれる星の住人だったが、
 戦争に巻き込まれて滅亡したと伝わる由。
 この種族を存続させようと手を尽くした研究者もいたが、
 三万年前に最後の一人ミューパントーが死んだとか。
 マーリーはラグトーリンがいるという
 辺境の赤砂地(セキサジ)星へ。
 エロキュスの遺品を届けに来たと告げるが、
 ラグトーリンはマーリーの真の目的が
 自分を殺すことだと察して返り討ちにする。
 マーリーの所属セクションでは、
 彼の生体反応が消えたため、クローン再生を申請し、
 マーリー2にマーリー1を捜させることにしたが、
 マーリー2の身体に、誤ってマーリー1だけでなく
 エロキュスの記憶データも注入されてしまった――。

ここまでで全体の三分の一ほど(ゼェハァ)。

余談だが、ZABADAKのアルバムには、
この作品にインスパイアされた楽曲集がある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  《た》~《ほ》
感想投稿日 : 2019年9月16日
読了日 : 2019年9月16日
本棚登録日 : 2019年9月11日

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