久しぶりの誉田作品。皆さんのレビューを読んで興味を引かれた。
傷害致死事件を起こした中西雪実は取り調べで『女の人の声が聞こえる』と言い始める。担当刑事の武脇は精神鑑定案件か?と身構える。
だがその後は親友が殺された事件を十四年振りに調べる寺田真由という女性の話が延々続く。
読み進めるうちに直ぐ『女の人の声』と真由の繋がり、さらに真由と雪実の繋がりは見えてくる。となると、雪実が起こした事件の構図は?と想像を巡らしていく。
ホラー? シリアス? と思いきや、時折コミカルな語りを入れてきたり、キャラクターも重すぎず軽快に読めた。三人も殺されていて、どれも暴走しなければ起こらなかったことでは?とも思うのだが、サクッと殺される辺り、誉田さんらしい。
気になって調べたら、武脇とコンビを組む菊田梓は姫川班の菊田の妻らしい。こうやってちょこちょこ姫川シリーズとの絡みを入れてくるのがニクい。
事件の構図については作家さんの仕掛けにより全ては分からなかったが、予想していたような皮肉なものでなくて良かった。
だが雪実の『声が聞こえる』という証言を武脇ら警察がどう受け止めてくれるのか、そこが気になっていたがここにも思わぬ展開が待っていた。
結果武脇はどういう調書を書き上げたのだろう。
終章からすると、タイトルは違うような。
久しぶりの誉田作品、楽しめた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー・名探偵
- 感想投稿日 : 2021年3月9日
- 読了日 : 2021年3月9日
- 本棚登録日 : 2021年3月9日
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