([お]12-3)みつばの郵便屋さん 二代目も配達中 (ポプラ文庫 お 12-3)

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  • ポプラ社 (2015年11月5日発売)
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シリーズ第三作。

今回は女性配達員と、大学生のアルバイト配達員が新メンバーとして加わる。
女性配達員の美郷は気が強く物怖じしない。集配先の会社からクレームがあっても聞いている秋宏がハラハラするほどはっきりと応対する。
一方のアルバイト荻野は覚えがよく慎重に仕事に取り組むが、割り切りが早い。

郵便ハガキだとわずか60円ほどで全国配達してくれる。封書でも普通郵便なら数百円。
雨による多少の滲みや仕分け中のちょっとした破れ折れなどは許容範囲だろう。
だがそのハガキや手紙にどんな思いが込められているのか、出す人受けとる人にとってどれほど大切なものかは分からない。
あまりに一つ一つを丁寧に慎重に扱っていたら配達は終わらない。でもそういう思いが込められているものかも知れないという気持ちで扱ってくれる配達員さんには敬意を表したい。

タワーマンションに住むおばあちゃんとの話は今時だなと思う。
お茶やお菓子を勧められたら基本的に断らない秋宏だが距離感は難しい。踏み込んで良いのか通りすぎるべきか。
その時の一瞬の判断が人を救うこともあれば、トラブルに巻き込まれる場合もある。

失敗したら次からしないように気を付ければ良い。それでまた失敗したら謝れば良い。
美郷の言葉は非常にシンプルだが、プライドや感情や人間関係が邪魔をして難しい。

みつばの郵便配達員たちはみんなキャラクターが違う。考え方、価値観、思考回路が違うからそれぞれ助け合って補い合って、色々なアプローチや考え方に気付かされて良いのかも知れない。
一度ドロップアウトしても、それで拒絶というのではないのも良い。これも色々な配達員がいるからだ。

それにしても、両親が離婚して実家に一人で暮らすことになっても、弟が人気俳優でも、その彼女がこれまた人気芸能人でも変わらない秋宏は凄い。芯がしっかりしているということだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ドラマ お仕事
感想投稿日 : 2019年12月1日
読了日 : 2019年12月1日
本棚登録日 : 2019年12月1日

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