エピクロス: 教説と手紙 (岩波文庫 青 606-1)

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2300年前のギリシャの哲学者エピクロスによる説教。

自然論から始まり、科学がこれほど発展していない当時の世界で、原子や宇宙の構造をこれほど深く思考していたのかと考えると、鼻血が出るほど興奮した。

そして、快楽主義者と揶揄されるエピクロスだが、実際には全く違う価値観だということが分かった。彼云く、人間の苦しみには際限がなく、快には限度があると。お腹がすいておらず、乾いておらず、寒くない。この三つがあれば人間は最大まで快楽に浸れる。逆にお金がありすぎて色々なものに煩わされるほうが人は苦しみ続けることになる。質素な生活にも幸福を感じて、苦しみから逃れよと説く。

どこぞの宗教みたいな哲学だが、これも2300年前の人物が考えていたと思うと大興奮である。快楽主義者と誤解されてきたエピクロスの言葉。

「性交が人の利益となることはなく、もしそれが害を加えなかったならばそれだけで満足すべきである」

実際これは真理な気がしてしまう。

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感想投稿日 : 2023年6月13日
読了日 : 2023年6月13日
本棚登録日 : 2023年6月13日

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