最愛の子ども (文春文庫 ま 20-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2020年5月8日発売)
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感想 : 15
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『コンビニ人間』の村田紗耶香さんが解説で
「家族」の中での肉体というものについて考えた、と書き、

「大切な、信頼できる相手の前で、心地よく筋肉が弛緩すること。・・誰かの体温の中を安堵しながら漂うこと・・・
身体が相手を家族だと認識し、そうした反応をするなら、現実での関係性の名前がどうであるかなど関係なく、肉体にとってその人は『家族』なのではないかと思う。」

と書いている。

夫の日夏、妻の真汐、王子様=最愛の子どもに空穂という三人の女子高生を中心に、家族関係を妄想する周りの友だちたち。

どう定義できるのか分からなかった「家族」が、
三人の肉体の反応を通して、村田氏が指摘するように
とても鮮やかに浮かび上がったのには、本当に驚いた。
しかも、とても清々しい。
とても新鮮。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2023年4月17日
読了日 : 2023年4月17日
本棚登録日 : 2023年4月17日

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