天ぷらにソースをかけますか?―ニッポン食文化の境界線 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年12月20日発売)
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感想 : 51
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西の薄口、東の濃口醤油。
うどんとそば、だしの違い。
食の東西比較や、地域差については、これまでも見聞きする機会も多かった。
最近はバラエティ番組でもよく取り上げられる。

本書は、新聞の企画で、全国の読者の情報により「食の境界」がどこにあるかを可視化しようとしたもの。
くっきり東日本/西日本が分かれることあり。
あるいはモザイク状にばらばらになることもあり。
いろいろな分布が、一筋縄にはいかない多様性を表していて面白い。
「食の方言」というけれど、方言周圏論みたいに「中央」から「周辺」へ広がるわけでない。
食べ物という「実体」があるからか?
それとも周圏論の仮説に無理があるのか?
そんなことも考えてしまった。

釣り鐘型のたこやき?
栗の甘露煮入りの甘い茶碗蒸し?
ぜんざいより甘い味噌汁?
福神漬けを「ふくしんづけ」と読む地方がある?
まだまだ知らない食文化がある。
本書では自分の生まれ育った県にあるとされるものが、自分は全く知らなかったりすることもあって、驚いた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年11月3日
読了日 : 2021年10月31日
本棚登録日 : 2021年11月3日

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