「自分中心」に研究をはじめるにはどうしたらいいか。
それを手順を挙げながら解説していく本。
本書の面白いところは、自分の関心に徹底的に即していくところ。
自分が本当に面白いと思うかが第一で、自分の分野(学問領域)に位置付けていくのは最終段階である。
こうすることで、特定の学問分野に囚われず、関心が共通する人の研究とつながることができる。
自分の学生時代を振り返る。
たしか…対象を決めて、テーマをなんとなくでっちあげる。
その後、先行文献をチェックして…。
本書を読むと、なるほど、これじゃタコつぼにはまり、自分が何に関心があったのか見失うはず。
チェックポイントや、やりがちな誤りなど、具体的に書かれていて、わかりやすい。
とはいうものの、本書に書いてあることを実際にやろうとすると、かなりの作業量になることは覚悟しなければならないだろう。
かなり簡略化して流れを書きだしてみよう。
1 問いを立てる
2 問いをふるいにかける
3 1次資料の検討、研究資源の評価
4 問題を共有できる集団を見つける
5 自分の研究を自分の研究分野に位置付ける
その過程を一つ一つメモをとり、いつでも自分で参照できるようにしていく。
問い同士の連関を考えたり、資料の関係を考えたり、二次資料から(!)自分の問いに関わりのありそうな「問題集団」を探したりする作業は、かなり難しい気がする。
これだけの作業をやり遂げられるなら、確かに研究は成功しそうだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2024年3月20日
- 読了日 : 2024年3月17日
- 本棚登録日 : 2024年3月20日
みんなの感想をみる