清掃会社から派遣され、家庭の掃除をする。
ハウスメイドというそうだ。
本書はタイトルの通り通り、このハウスメイドとして働きながら、一人で娘を育てる女性の手記である。
日本でもお掃除サービスが家庭で利用されるようになってきた。
解説を読むと、アメリカではかなりの家庭が掃除をハウスメイドに任せているとのこと。
その仕事は肉体的にも精神的にも過酷だ。
もちろん、大変だろうと予想していたが、それ以上だった。
何より読んでいてつらいのは、お金がないということが、どれほど人の尊厳を傷つけるのかということだった。
たしかに、衣食住、医療に対する補助はある。
著者は懸命に各種の制度にアクセスして、何とか娘との生活を続けようとするのだが…。
例えば、フードスタンプを利用してスーパーで支払いをしようとする際、周囲の人から煩わしそうな顔をされたりする。
ステファニー自身も、かごの中の食品が補助以上の贅沢なものだと見られないか気にしている。
日本でも生活保護を受ける人へのバッシングがあったりすることを思うと、何と言っていいか分からない気持ちになる。
アメリカは自己責任の国だけど、失敗してもチャレンジができる、といわれる。
ステファニーは、苦労の末、奨学金で大学卒業を果たし、再チャレンジで成功した実例といえる。
けれど、貧困層から這い上がれる人は少数で、再チャレンジの実効性はどれくらいあるのだろう?
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年10月18日
- 読了日 : 2020年10月18日
- 本棚登録日 : 2020年10月18日
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