くるまの娘

著者 :
  • 河出書房新社 (2022年5月11日発売)
3.43
  • (115)
  • (164)
  • (196)
  • (82)
  • (30)
本棚登録 : 2651
感想 : 262
3

宇佐美さんを3冊読んだ方から「読んで」と渡された本。皆さんの感想を見ると賛否両論ありますね。私も初めてこの作家を読んで、読むのが辛くなるような内容だった。初めての作品の「かか」も同様の内容とか。作者の実体験なのか、想像力なのか。
暴力的で理不尽な父、病気により言動がおかしくなった上にアル中の母、それが嫌で家を出た兄と弟。主人公のかんこも精神的におかしくなる。
父方の祖母が亡くなって、久方ぶりに四人が会うのだが、ギクシャクした雰囲気。母や父の子供返りのような言動が痛々しい。かんこも家族を繋ぎ止めようとしているが、益々おかしくなる。これが表題に繋がる。最後にちょっとだけ父親が可哀想になるのだが、祖母が悪いのか、父親が悪いのか・・
それにしても作者はまだ若いのに、圧倒的な筆力に感心する。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年10月1日
読了日 : 2022年10月1日
本棚登録日 : 2022年10月1日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする