寺地さんは2冊目だが、最初に読んだ『水を縫う』の設定と非常に近い。前作が祖母と姉弟と離婚した母、今回の作品は祖父と兄妹と別居した母。このような家族構成が好きなのだろうか?
発達障害らしき兄は周囲と上手く行かないが、家族からは大事にされ、それが妹にとっては耐えられない反発心となっている。祖父がやっていたガラス工房を小さい頃から出入りしていた二人は、祖父が亡くなったことで伯父に処分されそうになった工房を勢いで継ぐ事になってしまった。反発しながらも工房を立ち上げた二人はすれ違いの日々。
才能ある兄に嫉妬する妹。両者の気持ちが痛いほど伝わってくる。徐々に歩み寄る妹と兄。優しい気持ちになれる本だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年4月6日
- 読了日 : 2024年4月6日
- 本棚登録日 : 2024年4月6日
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