<図解>超新説 全国未完成鉄道路線-ますます複雑化する鉄道計画の真実 (講談社+α文庫)

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  • 講談社 (2010年2月18日発売)
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本書は『〈図解〉新説 全国未完成鉄道路線』の加筆改題であります。買つてみてから気付きましたが、その本は持つてゐました。川島氏の本は似たやうなタイトルが多い上、文庫化に際して改題されることも多多あるので、購入の際には注意が必要であります。

さて、その改題された『超新説 全国未完成鉄道路線』であります。超新説ですよ。「超」つて何ですかね。
まあいいや。著者は全国未成線の痕跡を実地調査し、何故放置されたままなのかを含め、その全容を明らかにせんとするものであります。

第一章は「首都圏の地下線に眠る謎の構造」。
愛知県人としてはいづれの項も興味深いですが、特に大田区役所の地下に地下鉄用のスペースがあるといふ話は面白いと存じます。

第二章「東京郊外に蠢く準備設備」では、こんなに準備設備(つまり新線計画)があるのかと驚きます。いくら人口が多いといつても、この全ては到底実現できないのでは。もしできたとしても、わたくしが死んだ後ですなあ。

第三章は「知られざる新幹線計画の真実」であります。上越新幹線は全通してゐないといふ話は、以前の川島氏の著書でも言及されてゐました。現在は当然のやうに東京駅に発着してゐますが、本来は新宿駅に乗り入れる筈だつたと。しかし今後劇的に乗客が増えない限り、実現しないでせう。
また、東九州、羽越、山陰、奥羽、四国の新幹線はまづ実現しないでせうね。少なくともフル規格では。

第四章は「全国に広がる未完成路線図」。名古屋の話題も少しあります。例へば城北線が環状線になるかといふ話ですが、まあやらないでせうね。名駅からの放射状鉄道を充実させる方が先でせう。

最後の第五章は「幻に終わった計画」といふことで、完全に日の目を見ることがなくなつた路線であります。しかし施設の建設は、かなり進んでゐる路線もあり、いかにも勿体ない。名古屋の南方貨物線も建造物が朽ちてゆくだけか......

テツならば常識かも知れませんが、わたくしはテツではないので、特に首都圏の話題は興味深いものがありました。川島節は健在ですが、少しソフトになつてゐる印象であります。もつと暴れていただきたいと、関係ない感想も抱きました。
デハデハ、ご無礼いたしました。

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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 鉄道の本
感想投稿日 : 2019年2月13日
読了日 : 2019年2月13日
本棚登録日 : 2019年2月13日

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