同一作家と思えないほどのバラエティの豊かさ。統一感があるとすると、文体の流麗さか。幻想と推理の中間地点をいく「かむなぎうた」の美文に酔いしれる。かと思えば「彼岸まいり」はまさかのSF(これがお気に入り)。
子ども目線の作品「かむなぎうた」「泥汽車」などのイメージから、わたしには裏表紙の紹介文にあった「ダンディズム作家」の意味があまり感じられなかったが、最後の「明治吸血鬼」の結びの一文"そら薔薇よ、血を吸え。人間の血も薔薇に吸われたら本望だろう"、これがダンディズムってやつか…とひとりで納得。
読書状況:読み終わった
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913.6
- 感想投稿日 : 2022年9月9日
- 読了日 : 2022年9月8日
- 本棚登録日 : 2022年9月4日
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