日影丈吉傑作館 (河出文庫 ひ 10-1)

著者 :
  • 河出書房新社 (2015年10月3日発売)
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本棚登録 : 119
感想 : 17
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同一作家と思えないほどのバラエティの豊かさ。統一感があるとすると、文体の流麗さか。幻想と推理の中間地点をいく「かむなぎうた」の美文に酔いしれる。かと思えば「彼岸まいり」はまさかのSF(これがお気に入り)。
子ども目線の作品「かむなぎうた」「泥汽車」などのイメージから、わたしには裏表紙の紹介文にあった「ダンディズム作家」の意味があまり感じられなかったが、最後の「明治吸血鬼」の結びの一文"そら薔薇よ、血を吸え。人間の血も薔薇に吸われたら本望だろう"、これがダンディズムってやつか…とひとりで納得。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 913.6
感想投稿日 : 2022年9月9日
読了日 : 2022年9月8日
本棚登録日 : 2022年9月4日

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