サンフレッチェ広島の試合を初めて見に行ったのが 2000年ぐらいだと思う。そのころからサンフレッチェ広島を全試合ではないが気になって度々試合を見ていた。そう考えると20年ぐらいのライトサポーターである。
ちょうどサンフレッチェ広島を見始めた頃にプロ選手になったのがこの本の著者である森崎和幸と森崎浩司である。森崎兄弟はサンフレッチェ広島でプロの選手になり、サンフレッチェ広島で選手生活を終えた。一度も別のチームのユニフォームを着ることなく10年以上のキャリアがある選手というのはとても稀である。
そんなサンフレッチェ広島の中心にいた選手であるので応援する側もとてもとても期待をする。森崎浩司には得点に絡む活躍を、森崎和幸には読みの鋭さと正確なパスを。とても高い技術力に定評がある二人なので自分はプレイを見ていて、良いプレイをすれば拍手を贈り、ちょっとミスをするだけでため息をしたりしていた。
森崎兄弟が病気になったのはクラブのプレスリリースや、インタビューで知ってはいた。引退してからもインタビューを読んだので病気については知ったつもりでいた。しかしこの本を読んで思ったのは、選手としてフィールドでプレイできるのが奇跡であり、ボールを蹴ることができるのがいかに大変だったのかを思い知った。自分が選手に対してミスをしたことに対して怒りや呆れのような感情を抱いていたのがとても恥ずかしくなった。
もちろんプロの選手であり、ピッチに立っている以上そのように見られるのは仕方ないのであるが、一人の人間として見たときに幾度の病気を乗り越えて本調子でもないなかプレイをして、サポーターの期待に応えようとしていることを考えると難しいものがある。
この本はアスリートの選手が決してメンタルが強いわけではなく、メンタルの問題とどのように付き合っていくべきなのかという本である。なので日頃自分の気持ちとどのように付き合うと生きやすくなるか参考になる本でもある。特に、この本でできなかったを責めるのではなく、できたことを褒めてあげようという考え方はとても共感できた。毎日毎日うまくいくことばかりではないので落ち込むこともあるが、そのときは今日できたことを数えて自分を褒めてあげたい。
- 感想投稿日 : 2019年12月14日
- 読了日 : 2019年12月14日
- 本棚登録日 : 2019年12月2日
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