僕たちのインターネット史

  • 亜紀書房 (2017年6月17日発売)
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感想 : 23
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知らない言葉や出来事が多かったけど、解説がわかりやすく頭に入ってきた。インターネットの言説、つまりどのように語られてきたかの話。インターネット自体の倫理や設計から、現代ではインターネットを社会学的な視点で語ることが多くなった。それは、インターネットの大衆化を意味する。しかし、設計や倫理を考えないことは、インターネット自体の設計や倫理が間違った方向に進んだ時に気づかなくなってしまうという危険を孕む。


・擬似同期 p.88
インターネットでみんなと同じものを見て同じ時間を過ごして同じ体験をしたいという欲望。
擬似的にでもみんなと同じものを見て同じ時間を過ごして同じ体験をしたいっていう欲望を満たす役割を持っていたのは、インターネットが生まれる前はなんだったのだろう。それともインターネットが生んだ欲望なのだろうか。

・宮台真司の島宇宙理論 p.177
今のインターネットは島宇宙で、自分でスクリーニングしているにもかかわらずあまりにも自然に流れてくるから「これが世間なのかな?」って感じがしてしまう。
自分と同じ意見にしか囲まれないから、「俺たちは正しい」という確信が蔓延する。この島宇宙的思考はメタ認知しておくべきだなと思った。

・文系理系の二項対立 p.226〜
文理の二項対立、インターネットの倫理・設計か社会学的視点の片方しか理解する気がない点に問題提起があった。物事の実態と現象の両方に理解がある人になりたいと思った。自分の中に「知ったかぶりな状態は好まない」という気持ちが少しあるのかも。

・デジタルネイティブ世代 p.236
デジタルが自然すぎて、内側の設計や倫理に目が向かない。ここを考えるのはデジタルイミグラント世代の責任。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: テクノロジー
感想投稿日 : 2020年9月5日
読了日 : 2020年9月5日
本棚登録日 : 2020年9月5日

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