『フラガール』。宮崎あおいが出てると「だいぶ前」という感じで、同い年の蒼井優ちゃんだと「わりと最近」という勝手なイメージがあるけど、もう13年も前の映画なんですね。私も観返したのは10年ぶりぐらいです。
昔観たときはけっこう面白かった印象があったけど、一周回って観返すとそんなに面白く思えなかった…。
音声のバランスがすごく悪くて、セリフが小さいから音量を上げるとBGMが爆音になってうるさい。ソフト化orBS放映のせいか理由は不明。そういや『天然コケッコー』も音声バランスがすごく悪かったなあ。
勝手に炭鉱青春3部作と名付けてるのが、『遠い空の向こうに』『リトルダンサー』『フラガール』で、それぞれアメリカ、イギリス、日本の映画。
さらに前だとイギリス映画『ブラス!』や、炭鉱じゃないけど『フルモンティ』。さらに前で、私が観た一番古いものはジョージロイヒルのアメリカ映画『スラップショット』とか。
あと、石炭から石油へのエネルギー革命は、今やってる『スカーレット』もほぼ同時代で、火鉢が使われなくなったことにも関係する。
あんまり面白くなかった理由。
蒼井優の親友役で徳永えりさんが出ていて、徳永さんてこんなに可愛かったの!?とびっくりしたほど。
彼女とお父さんのシーン〜松雪さんが怒るシーンとかはとても良かったけど、徳永さんが途中退場してしまう…。
イギリスの炭鉱青春映画が面白いのは、同時にサッチャー政権時代の社会派映画だから。『フラガール』の頃の日本だと、三池争議や蜂の巣城紛争、成田闘争などなど、そういう時代。
どこでもそうだけど、炭鉱のリストラや工場誘致などすると、小さい町の中で賛成派と反対派に別れて争うという、悲しい状態になることが多い。
最近の日本映画全体のよくない点でもあるけど、この映画もあまりシリアスに描かない、マイルドにぬるい感じにしてしまっている。集客できないからコメディ寄りにしてるのはわかるけど、ぼやけている。そして、コメディ部分も、シリアス部分もどちらもキレがない。
先にも書いた、ハワイアンセンター賛成派と反対派の争い、三宅さんたちとトヨエツのくだりがほとんど描かれてなかったような。だからあんまり感動しない。この点は、親子の対立に集約させている。
徳永さんの親は高橋克実で父親だけど、蒼井優の方は母親で富司純子。日本の場合、アメリカ映画に多い「父親との対決」よりも、母親の場合が多い気がする。
李相日監督、『悪人』とかでも「なんか足りんなあー」といつも感じてしまうから、自分の中ではあまり評価が高くない。
今回も、松雪さんの電車でのシーン、一番大事なところなのに演出方法が意味不明だったりした。
あと、単純に予算の問題だろうけど、ハワイアンセンターが建設中のシーンが全然なかったのがダメだった。椰子の木を植えるだけ。お金をかけてない(かけられない)のも日本映画を取り巻く状況で良くない点。
60年代とか、昔を描けばノスタルジックで、誰もがある程度は感動するけど、それ以上のものがない。
笑えるシーンはそんなになかったけど、一徳兄ちゃんがまくしたてるシーンと、しずちゃんの壁のシーンは南海いや何回観ても笑える。壁は、芸人さんのネタ合わせ的なのでしずちゃんにはうってつけ。
しずちゃんの服も、セーターと赤ジャージの組み合わせがかわいくてよい。蒼井優ちゃんがすっごい小顔で、松雪さんや徳永さんよりも小さい。逆にしずちゃんは体から大柄なので、蒼井優と並んだシーンのサイズ感の違いが凄まじかった笑。
蒼井優、そういや『花とアリス』でバレエのシーンがあったし、松雪さんもたしかバレエやってたなーと。
山ちゃんとの出会いの最初のきっかけ、ということで7月に一度放映されてて、今回はたぶんその再放送。
そして徳永えりさんも今年5月に結婚されてたことを今知った。そっちも放映に合わせてちゃんと言ってくれ。
- 感想投稿日 : 2019年12月22日
- 読了日 : 2019年12月21日
- 本棚登録日 : 2019年12月20日
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