ノウイットオール あなただけが知っている

著者 :
  • 文藝春秋 (2023年7月5日発売)
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第1章 推理小説
第2章 青春小説
第3章 科学小説
第4章 幻想小説
第5章 恋愛小説
エピローグ

5話の連作短編集。なんだけど、5つに分けた長編と捉えたほうが良いのだろうか?帯にある「この小説は、選考委員への「挑戦状」だ。」という惹句が気になり読んでみたのだが、この小説を楽しむのは前情報なしで読むに限る。と思う。5つの物語があることは帯にも書かれているので、これに関しては良しとして、読み終えてみるとそうなっていることに納得する。個人的には読んでいる間ずっと頭の中で実写ではなくアニメとして映像化されていたので、読みやすく追いかけやすい物語だった。人によっては物足りなく消化不良と感じるところもあるかもしれないが、音楽フェスに行ったら普段聞かないジャンルも聞けて音楽三昧サイコー!みたいな楽しみを味わえると思う。大いに楽しめた。

具体的なことは省いて、フィルターなしで以下にもう少しだけ書き連ねようと思うが、未読の方はこの先は読まないほうが楽しめるのではないかと思います。

物語の本筋として低通するのは第3章、第4章の内容であり、そのあたりを読み進めると第1章のあるものが思い当たったり、関連することからさらに物語が膨らんでいき、ググッと入り込んでいく。第2章は思いのほか良く(失礼)ちょっとウルっときた。そして、ここもやはり第4章がそのウルッときた気持ちを加速させる。そして、第5章では今までの内容からすると少し弱いかなと思っていたら、中盤から引き込まれていき、まだその先のエピローグが待っていた。最後の一行まで抜かりない。ここでまたさらに今までの物語が色めいて高速再生されるような感覚だった。

こうやって書いていると、具体的にあれもこれもと書きたくなってしまうので、頭の中だけでもう少し想像しておこう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年7月14日
読了日 : 2023年7月14日
本棚登録日 : 2023年7月14日

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