ノウイットオール あなただけが知っている

著者 :
  • 文藝春秋
3.94
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本棚登録 : 1179
感想 : 144
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163917207

作品紹介・あらすじ

第30回松本清張賞受賞作
この小説は、選考委員への「挑戦状」だ!
衝撃のデビュー作。

1つの街を舞台に描かれる、5つの世界は、少しずつ重なりあい、影響を与えあい、思わぬ結末を引き起こす。
すべてを目撃するのは、読者であるあなただけ。

推理小説/青春小説/科学小説/幻想小説/恋愛小説

5つの物語は、5度世界を反転させる。
森バジルを読めば「世界が変わる」

【選考委員 選評より】

阿部智里
5つの同じで異なる世界!
その構成に気が付いた時、「正気か」 と目を疑った。

辻村深月
抜群のきらめきに満ちていた「青春小説」パートは見事だった。

米沢穂信
小説というものに必死に手を伸ばした作者の叫びが聞こえた。

森絵都
チャレンジ精神と熱量の高さがすばらしい。

森見登美彦
「読者だけが知っている」そんな構造を楽しんでほしい。

感想・レビュー・書評

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  • 第30回松本清張賞受賞作。

    この小説は選考委員への「挑戦状だ!」。
    衝撃のデビュー作。
    1つの街を舞台に描かれる、5つの世界は少しづつ重なりあい、影響を与えあい、思わぬ結末を引き起こす。
    すべてを目撃するのは、読者であるあなただけ。
    推理小説/青春小説/科学小説/幻想小説/恋愛小説。
    5つの物話は、5度世界を反転させる。
    森バジルを読めば「世界が変わる」。


    こんな紹介文を読めば、読みたくなりますよね。
    でも、私は、この小説、よくわからなかったし、途中で読むのやめようかと思いましたが。
    紹介文を思い出し気を取り直して全部読みました。


    推理小説はどこが面白いのかわからなかったし、科学小説、幻想小説は意味がわかりませんでした。
    M-1グランプリを目指す高校生男女の青春小説と、短歌を通じて恋愛が始まる恋愛小説だけはとりあえずわかったし、凄くとは言えないけれど、面白かったです。

    M-1グランプリは『成瀬は天下を取りにいく』でも出てきたし、短歌は私も始めたところなのでやっぱりブームなのだなあと思いました。

    紹介文ほどの衝撃は私はありませんでした。

  • すげー!こりゃすげーわ

    いわゆる連作短編集なんだけどね
    5つのお話と登場人物たちがちょっとづつ繋がっていて、ちょっとづつ解き明かされることで他のお話しにも深みや驚きが加えられていくっていうね
    よくあるパターンの連作短編集ですよ

    だけどとんでもないオリジナリティが仕込まれてんの
    各短編毎にジャンルが違うのよ
    推理小説、青春小説、科学小説、幻想小説、恋愛小説とね

    当然のことながらそれぞれ世界観が違うんだけど、それらをひとつの街の中にうまく納めていて、さらに結構スムーズに繋げてみせてる
    ひとつひとつの物語はちょっと粗さも目立つところはあるけど、最低限の書き分けもできてる

    うん、よく出来てるし
    なんか才能の芽みたいなんを凄く感じさせるんよね

    いやーなんか次々と楽しみな人が出てくるなー
    まだまだたくさん本読みたいなー
    なんてことを思いましたよ

    • ひまわりめろんさん
      全部図書館だからね
      全くどうなってるんだろうねw
      敏さんの新刊も来週あたり来るかな
      全部図書館だからね
      全くどうなってるんだろうねw
      敏さんの新刊も来週あたり来るかな
      2023/07/22
    • 1Q84O1さん
      マジっすか!?
      敏さんの新刊まで! 
      さすが新刊キラー!
      マジっすか!?
      敏さんの新刊まで! 
      さすが新刊キラー!
      2023/07/22
    • ひまわりめろんさん
      (≧∇≦)b
      (≧∇≦)b
      2023/07/22
  • /_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 
    みなさんの感想から、連作短編集と思って読み始めましたが、2話目を読み終わる時点でまったく繋がりが感じられず、この本の前に読んだ「成瀬は天下を取りにいく」の方と繋がっているよな錯覚を持っちゃいました。M1繋がりで…

    しかし、まぁ、めちゃくちゃだな…これ、というのが感想です。
    時間軸のズレは、まぁ、わかるとして、異世界というか、異次元というか、その辺の話まで出てくると、もう、ファンタジーだな〜と、思いました。

    なかなか、珍しい作品だと思いましたが、シンプルで平凡なお話好きな私には、向いていない作品でした。

    登場人物をしっかり押さえながら読み進めないと、わけわからなくなりそうなので、注意です!!


    /_/ あらすじ _/_/_/_/_/_/
    1.推理小説
    暴力団員の抗争

    2.青春小説
    高校生がM1優勝を目指す

    3.科学小説
    未来人のお話、未来から知らない人がやってくる

    4.幻想小説
    異次元のお話からはじまり、その異次元にいた2人がこの世界にやってくる

    5.恋愛小説
    人の顔が記憶できない奈美が翼を好きになる


    /_/ 主な登場人物 _/_/_/_/_/_/
    1.推理小説
    青影千織 探偵、8年目
    春﨑 助手
    薬師寺 緑原組、組長秘書
    鬼木壊斗 おにぎかいと、48歳、暴力団員
    鱗形迅 うろこがたじん、45歳
    東條瑠璃也 30歳、本人候補

    2.青春小説
    土橋千尋 高校2年、男子
    浅黄葉由 はゆ。千尋クラスメイト、女子
    夏目桜花 浅黄親友、千尋彼女

    3.科学小説
    夏目桜花 
    夏目千秋 桜花の父
    阿南乱麻
    白羽根ラクア
    不知火 しらぬい、ぬい
    赤石博兎 はくと、20歳

    4.幻想小説
    ラクア=ブレズノ ウィザード、白羽根ラクア
    阿南乱麻
    浅黄依花 葉由母、生き返らされた女の子
    乙黒 魔力高い

    5.恋愛小説
    乙黒奈美 顔を忘れてしまう病気
    冬木翼
    北渡瀬
    青影千織 乙黒友達、桜花の父に会っている
    冬木千秋 

  • 全部入り。
    全5章、各章がミステリ、青春小説、SF、ファンタジー、恋愛小説とそれぞれ異なるテイストで書かれた挑戦的な作品。

    各章の主人公は自分目線の物語を紡ぐが、色々なフックで他の章の登場人物達と繋がり、重なり、最終的には同じ時間、場所を描いた5色の虹が出来上がりましたという感じ。
    この辺、表紙が象徴している。

    さりげなく出てきた場面が後の物語で繋がると、読み手として何か嬉しくなってしまうのは何故でしょう。
    この本はその繋がり具合が半端ないぐらいにあって、よくこんなストーリー考えつくなぁと純粋に感心。

    最終章の「恋愛小説」では、短歌しかもあの歌人がモチーフと思われる人物名まで登場し、こんなところにも顔を出すくらいに、短歌の裾野は広がっているのだなぁと純粋に驚いた。
    ただ、この本で書かれている短歌(著者作なのか?)は正直ちょっとよくわからなくて、短歌は別の方で楽しみたいかなと思った。

    挑戦的な作品ではあり、個人的にはなかなか楽しめたが、節操がないと思う人もいるのではと思うし、最後の貫きが弱いため、結局何の話だったんだとなる人もいるのでは。

  • それぞれジャンルが違う連作短編集というのは、初めて。世界の重なり方も独特で、読み進めていくにつれて面白さが増してきた。
    5つの中では「青春小説」が一番好き。
    ニケトロフィーのストリートライブ、観たいなぁ。

  • 同じ時期の同じ町で5つの出来事が少しずつ係わりあった短編連作集。めっちゃ面白かった。
    一番のお気に入りは第二章青春小説「イチウケ!」
    「なあ、土橋千尋、うちと天下とらへん?」高校のクラスメイトの葉由にM―1を目指そうと誘われた千尋。やる気はなかったが、片思いの桜花との仲をとりもつことをちらつかされ、漫才をすることに。声の出し方や体の向きなど葉由に指導され、特訓の日々を送り本番を迎える…。
    ポンポンとリズムよく進む二人の会話が心地よく、本当に漫才を見ているような気分。こんな面白いネタがよく書けたなぁ、と思います。(そう、関西人はみな漫才評論家)
    漫才か進学か。葉由との友情か彼女の桜花か。千尋の選択にじーんとします。
    感動で二章を読み終わり、そして第三章。千尋が漫才をしている裏で、桜花はそんなことになっていたとは!と驚かされるSFストーリーです。これも桜花の選択にじーんとします。

    推理小説、青春小説(漫才)、SF、幻想小説、恋愛小説(短歌)、…なんでも書けるこの著者、すごい!
    最後の1行にビリビリしながら、5時間14分で読了です。

  • 初読みの作家さん。切縞市という1つの街での短編集。推理小説、青春小説、科学小説、幻想小説、恋愛小説からなるがお互いに絡みがあってめちゃめちゃ面白かった。読み終わった後で鳥肌がたった。オススメです。

  • 連作短編小説。普通じゃないのが、すべて異なるジャンル。作り方のトリッキーさが話題を生んでるが、みずみずしい表現と物語の構成は秀逸。登場人物をしっかり覚えながら読むと驚きの感動が。

  • ブラックジャックばりの高額料金をふっかける名探偵、M-1を目指す高校生コンビ、失恋続きのOLに未来人や魔法使いまで…
    地方都市•切縞(きりしま)市を舞台に繰り広げられる5つの物語。“あなただけが知っている”真相とは??

    各話が独立した短編のようで実は…という連作短編集ではおなじみの構図ではあるが、各話それぞれが趣を異にするジャンルミックスというのは画期的。
    ミステリ、青春小説、SF、ファンタジー、恋愛小説とジャンルてんこ盛りで、著者のチャレンジ精神と引き出しの多さが窺い知れる。世界観が高低差ありすぎて、耳キーンなるわ!

    青春小説が最も熱い。私もM-1は好きだが、漫才におけるプロとアマの違いを言及したくだり(声と体の向きと距離感)や、つかみのボケは面白かった。

    根底にあるのはミッシングリンク(見えない共通点)系ミステリで、ジャンル設定やキーアイテム及び共通場面を活用したリンク付けによる意外性の演出が上手い。登場人物相関図を描きたくなる一冊。

    松本清張賞受賞(2023年)

  • 第1章 推理小説
    第2章 青春小説
    第3章 科学小説
    第4章 幻想小説
    第5章 恋愛小説
    エピローグ

    5話の連作短編集。なんだけど、5つに分けた長編と捉えたほうが良いのだろうか?帯にある「この小説は、選考委員への「挑戦状」だ。」という惹句が気になり読んでみたのだが、この小説を楽しむのは前情報なしで読むに限る。と思う。5つの物語があることは帯にも書かれているので、これに関しては良しとして、読み終えてみるとそうなっていることに納得する。個人的には読んでいる間ずっと頭の中で実写ではなくアニメとして映像化されていたので、読みやすく追いかけやすい物語だった。人によっては物足りなく消化不良と感じるところもあるかもしれないが、音楽フェスに行ったら普段聞かないジャンルも聞けて音楽三昧サイコー!みたいな楽しみを味わえると思う。大いに楽しめた。

    具体的なことは省いて、フィルターなしで以下にもう少しだけ書き連ねようと思うが、未読の方はこの先は読まないほうが楽しめるのではないかと思います。

    物語の本筋として低通するのは第3章、第4章の内容であり、そのあたりを読み進めると第1章のあるものが思い当たったり、関連することからさらに物語が膨らんでいき、ググッと入り込んでいく。第2章は思いのほか良く(失礼)ちょっとウルっときた。そして、ここもやはり第4章がそのウルッときた気持ちを加速させる。そして、第5章では今までの内容からすると少し弱いかなと思っていたら、中盤から引き込まれていき、まだその先のエピローグが待っていた。最後の一行まで抜かりない。ここでまたさらに今までの物語が色めいて高速再生されるような感覚だった。

    こうやって書いていると、具体的にあれもこれもと書きたくなってしまうので、頭の中だけでもう少し想像しておこう。

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