もし、これから八咫烏シリーズを読み始めようとして第一弾『烏に単は似合わない』だけ読んで続きどうしようかなと思っている方がいたら、せめて今作『烏は主を選ばない』までは読んで決められるのが良いと思う。個人的には期待値が跳ね上がった(今更ながらなのだが)。もともと第一弾と合わせてひとつの物語だったというだけあって、舞台となる山内のことが非常によく分かる。そして、多くの人物(烏)たちの思惑が交錯する穏やかでない事態が、この先に起こるであろう更なる争乱の予感にドキドキする。この先も楽しみだ。
前作は桜花宮での后候補である姫たちについて描かれていたが、今作では別視点から日嗣の御子である若宮について描かれている。同じ時間軸なので、桜花宮で姫たちが過ごしていた間に若宮がどうしていたのかが明かされる。若宮の置かれている状況、山内の現状、宗家と四家の関係などが次第に分かり、読み進めるまで見えてこない敵の存在にハラハラする。そして読み終えてみて、忠誠と欲望の境界は何か?信念と盲信の境界は何か?そんなことを思わずにいられなかった。さて、ここからどうなる?
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年2月15日
- 読了日 : 2024年2月15日
- 本棚登録日 : 2024年2月8日
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