亥子ころころ

著者 :
  • 講談社 (2019年6月26日発売)
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本棚登録 : 654
感想 : 107
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主人の治兵衛と娘のお永、孫のお君の3人が支える菓子屋の南星屋は、材料費を抑えて庶民でも安く購えるようにしており、日本諸国のお菓子が主人の工夫も加えられて毎日、2品売り出される。作る過程も詳しく描かれていて、作者の食べ物へのこだわりが伝わってくる。主人の弟の僧侶の石海が、それらを本当に美味しそうに食べるのだが、いやー私も食べたくなってしまう。しかし、朝早く並ばないと手には入らないことだろうなあ。
主人の治兵衛が左手首を痛めて上手く和菓子を作れなくなって困っていると、店の前に行倒れの男がー。ひょっとして菓子職人では?と思っていたら、やはりそうだった。なんだかすごく都合のいい話の展開なのだが、まあよしとしよう。お話だから。この菓子職人の雲平をめぐって話は進んでいく。
期待通り、人情豊かなほろりとくるいいお話だった。続編あるかなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2019年9月26日
読了日 : 2019年9月26日
本棚登録日 : 2019年9月26日

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